PICマイコン・ターゲットボード組立の準備
PICマイコン・ターゲットボード
図1に組立前のPICマイコン・ターゲットボードを示します。基板にマスキング剤を塗布し完全乾燥後に、カッターの背中でハンダ付け部分だけを、かきおとせばきれいに仕上がります。また基板の4隅に3mmの穴を開け、スタッド(支柱)などつけておけば、組み立ての際に部品を取り付けやすく便利です。
![]() |
図1.PICマイコン・ターゲットボード |
ハンダごて
基板に電子部品をハンダ付けする場合には、セラミック・ヒーター式の15W〜40W程度の小型のハンダごてを使うようにしましょう。また、60Wや100Wなどの比較的容量の大きなハンダごても同軸コネクターの配線用に用意しておくと便利です。容量の小さなハンダごてを使用してコネクターのハンダ付けをおこなっていると、コネクターにハンダが付く温度に達するのに時間がかかって、同軸ケーブルが溶けたりしてしまうからです。図2に示す写真のハンダごては、通常では20Wですが、黄色のスイッチを押すと130Wになり便利です。このハンダごて1本で用が足りてしまいます。ビット(こて先)はメッキの施されたものを使います。ビットが何も処理されていない銅のままですと、ハンダ付けをしていくうちにこて先が腐食してきます。写真のハンダごては、2〜3年ほど使い込んでいるため、ヒーターの部分が黒く変色してはいますが、メッキの施されているこて先は、いつまでもキレイな状態で使用でき、腐食もありません。こて先は、水を含ませたスポンジで軽くこするようにして余分なハンダやフラックスを落とします。こて先が汚れたからといって、ヤスリなどで磨いてはいけません。
こて台も重要です。ある程度の重量があって、安定しているものが一番です。必ずこて先の酸化皮膜除去用の濡れスポンジがセットされているものを使ってください。このこて台だけはケチらない方が良いようです。使える良い道具は、良い仕事につながり、後々のハンダ付けの質に影響してきます。こて台なしに製作に夢中になっていると、いつの間にかにハンダこてが転がり落ちて、畳やジュータンを焦がしたり、火傷したりしますからご注意を・・・
![]() |
図2.ハンダごて |
ハンダ,ピンセット
ハンダは、フラックス入りでスズ60〜63%の良質なものを選びます。太さは、ICのピンなど細かい部分のハンダ付け用に0.8mm、その他一般用に1mmの2種類用意しておけば十分です。ピンセットは細かい部品をつかんだり、ハンダ付けをする場合に部品やリード線がフラフラしないように押さえておくのに便利です。
![]() |
図3.ハンダ,ピンセット |
フラックス
場合によってはハンダ付けする面に液状のフラックスを塗っておくことも必要になります。図4の写真が小瓶に入ったフラックスです。糸ハンダ内にはフラックスが入っていて、ハンダ付けの際にこのフラックスがとても重要な働きをします。ハンダ付けするものをハンダごてで十分加熱しておいて、そこに糸ハンダを当ててください。糸ハンダを溶かしたときに中のフラックスが溶けだしてガス化し、見事なハンダ付けにしてくれるのです。フラックスの働きは、ハンダ付けする金属の表面の酸化膜を取り去ると同時にガス化したフラックスが空気を遮断し、新たな酸化皮膜ができるのを防ぎます。それと同時にハンダと金属面の間に合金層ができるのを促進したり、ハンダの流れをよくしたりと大活躍しているのです。くれぐれも、こて先にハンダを先に乗せて、それをハンダ付け面に当てるなんてことはしないでください。せっかくのフラックスが煙となって全て飛んでしまいます。
![]() |
図4.フラックス |
ニッパー,ラジオペンチ
図5の写真(下)がニッパーです。これは抵抗やコンデンサなどのリード線を切断するための工具です。写真(上)がラジオペンチです。先の部分が細くなっていて、小物部品をつまんだり、穴にビスを通すときなどに便利です。いずれも、無理な力を先端にかけると、意外と簡単に先の部分が曲がったり、痛んでしまいますので、太めの線を切ったり曲げたりするときには、別に電工ペンチを使用しましょう。
![]() |
図5.ニッパー,ラジオペンチ |
ハンダ吸取器,ハンダ吸取線
基板に部品をハンダ付けした後、間違って取り付けてしまったとか修正のためにその部品を取り外さなくてはならないことが出てきます。抵抗やコンデンサならリード線が2本ですから、ハンダごてだけでもなんとか取り外せますが、ICなどのように、ピン数の多いパーツとなると簡単にはいきません。図6の写真はハンダ吸取器という便利な工具です。スポイト状のポンプ式になっていて、ハンダを取りたい部分にハンダごてを置き、十分半田が溶けたことを見計らって中央にあるボタン押すと、スポッとハンダが吸い込まれてきれいにハンダを取り除くことができます。図7の写真はハンダ吸取線です。ハンダを取りたい部分に吸取線を付けてハンダごてで加熱すると溶けたハンダが吸取線に付着してハンダを取り除くことができます。簡単なハンダの修正や細かな場所のハンダ吸取作業に向いています。
![]() |
![]() |
図6.ハンダ吸取器 | 図7.ハンダ吸取線 |
次のページは、PICマイコン制御用ターゲット・ボード組立編(2)です。
![]() |
![]() |
![]() |